高級靴専門店KING of SHOESの岩本です。
前回、シュナイダーブーツの代名詞とも言える「ジョッパーブーツ」の極上フィッティングについて熱く語らせていただきました。
第2回となる今回は、少し視点を変え、私が実際にイギリス・ロンドンのファクトリーへ足を運び、彼らと直接言葉を交わしてきた「生々しい現場の熱量」と共にお届けします。
今回ご紹介するのは、シュナイダーブーツが誇るもう一つの傑作、「ジョージブーツ」です。
目次
オリンピック代表選手がトップを務める「本物の証明」
シュナイダーブーツを語る上で、絶対に外せない人物がいます。現在の代表であるクリス氏です。
ファクトリーを訪れた際、私は彼と固い握手を交わしました。実はクリス氏、オリンピックの代表選手として活躍した経歴を持つ、生粋の馬術のプロフェッショナルなのです。
彼の家族は皆が乗馬を愛し、英国の騎兵隊もまたシュナイダーブーツを正式に着用しています。
「オリンピック選手自らがトップに立ち、実用性を追求しているブーツ」。これ以上に、動きやすさと圧倒的なクオリティを保証する事実があるでしょうか。彼らが作るブーツは、決して飾り物ではなく、過酷な環境を生き抜くための「究極の実用品」なのです。
「ジョージ6世」が認めた、選ばれし者のアンクルブーツ
そんな実用性の極致にあるシュナイダーブーツの中で、異彩を放つほどに「フォーマルな美しさ」を極めたのが、このジョージブーツです。
1951年、英国王ジョージ6世が陸軍将校用のアンクルブーツとして承認したという、極めて格式高い歴史を持っています。軍用でありながら、正装(ドレススタイル)に合わせることを前提に設計された、まさに選ばれし者のための一足です。
究極の美学。「紐を見せない」という靴の引き算
私が靴のプロとして、このジョージブーツのデザインで最も身震いするほど美しいと感じるのが、「トラウザーズ(スラックス)の裾からシューレース(靴紐)が見えないように、アイレット(紐を通す穴)が高い位置に設けられている」という点です。
一般的なチャッカブーツをスーツに合わせると、歩くたびに裾から靴紐が覗き、少しカジュアルな印象を与えてしまいます。
しかし、ジョージブーツは徹底的に計算された高い位置のアイレットにより、裾から覗くのは「磨き上げられた極上の1枚革の甲」だけです。
まるでスリッポンやホールカットの靴を履いているかのような、恐ろしいまでに流麗でミニマルな足元。この「引き算の美学」こそが、英国フォーマルの真髄です。
乗馬靴メーカーの意地。吸い付く革と計算された曲線
オリンピック選手が証明する機能性と、英国王室が認めた意匠。これが融合しているのがシュナイダーブーツの恐ろしさです。
アッパーには厚手でありながら柔らかく吸い付く極上レザーが使われ、甲部からタンにかけては、足に沿うようしっかりと立体的にくせづけされています。これにより、甲に無駄なシワが入らず、息を呑むようなドレッシーなフォルムが保たれます。
ジョッパーブーツが「動」の最高峰なら、ジョージブーツは「静」の最高峰。
他人が気づかないような細部にまで徹底的にこだわる、本物を知る大人にこそ履いていただきたい一足です。
【KING of SHOES 岩本からのご案内】
当店は、クリス氏やファクトリーの職人たちと直接、かつ強固な信頼関係を築いている日本でも数少ない正規取扱店です。
ただ靴を売るだけでなく、彼らと「日本の靴愛好家が本当に求める仕様」を常に議論し合っています。サイズ感のご相談はもちろん、シュナイダーブーツの奥深い世界にご興味がある方は、ぜひ私、岩本までいつでも熱くご相談ください。
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シュナイダーブーツ ジョージブーツの商品ページ
【次回予告】
次回、連載第3回は「なぜシュナイダーブーツは幻と呼ばれるほど手に入らないのか?」その秘密に迫ります。私が現地で厚い信頼を寄せる、勤続21年の大ベテラン職人「アンディ氏」の素顔と、驚くべき製造背景を赤裸々にお伝えします。






